綺麗な歯並びの子ども達

こんにちは、クリア総合歯科クリニックの入江です。

子どもの歯並びについて「そのうち生え変われば整うのでは?」「小さいうちは矯正は必要ないのでは?」と考える保護者の方は少なくありません。

しかし、歯並びや噛み合わせの状態は成長に大きな影響を与えるため、早めに歯科医院で相談することが望ましいケースもあります。今回は「子どもの歯並びをいつ相談すべきか」について、気を付けるポイントや相談の目安を詳しく解説します。

子どもの歯並びが気になる瞬間とは?

お子さんの歯並びに違和感を覚えるのは、次のような場面が多いです。

・大人の歯が生えてきたのにガタガタしている
・前歯が出っ歯のように見える
・下の歯が上の歯より前に出ている
・奥歯の噛み合わせがずれている
・口を閉じにくそうにしている

こうした変化は見た目の問題として気付きやすいですが、実際にはむし歯や歯周病のリスクの増加、発音への影響、咀嚼効率の低下、顎の成長不良、集中力が足りない、肩こり、呼吸しにくいなど、他にも様々な問題を引き起こすことがあります。

相談のタイミングは「歯が生え変わる時期」

永久歯は一般的に5~6歳から生え始めます。最初に生えてくるのは奥歯の「6歳臼歯」と、「下の前歯」です。その後、順番に他の歯が生え変わり、小学校高学年から中学生にかけて永久歯列が完成します。

特に6歳~9歳頃は上顎の成長が活発で、矯正治療による効果も得やすくなります。また、不正咬合の兆候があるかどうかを早めに確認できれば、「成長を利用した治療」が可能となり、大掛かりな矯正を避けられるケースもあります。

10〜12歳頃になると奥歯の交換が終わり、永久歯がほぼ揃います。この時期に矯正治療を始める場合、顎の成長を利用することができないため歯を抜いてからの矯正になる可能性が高くなります。

早めに相談した方がよい歯並びの特徴

以下のような状態が見られる場合は、できるだけ早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。

出っ歯(上顎前突)

出っ歯

上の前歯が前方に出ている状態です。指しゃぶりや口呼吸が影響することもあります。放置すると顔立ちや発音にも影響することがあります。

受け口(反対咬合)

受け口

下の歯が上の歯より前に出ている状態です。骨格的に問題があることが多く、早めの治療が重要です。放置すると外科手術が必要になる場合もあります。

叢生(歯がガタガタに並ぶ)

叢生

永久歯が生えるスペースが足りないと、歯が重なり合って生えてきます。むし歯や歯周病のリスクが上がるため、歯並びを整えておくことがおすすめです。

交叉咬合(噛み合わせが左右にずれる)

交叉咬合

噛み合わせが左右非対称になり、顎の成長に影響を及ぼす可能性があります。

開咬(前歯が閉じない)

開咬

奥歯は噛んでいるのに前歯が閉じず、隙間が空いている状態です。指しゃぶりや舌の動きが関係することが多いです。発音や食べ方に支障をきたす場合もあります。

なぜ「早めの相談」が大切なのか?

矯正は永久歯が生え揃ってからでも可能ですが、早めに相談するメリットは大きいです。

顎の成長を利用できる

骨格の成長期に矯正治療を始めることで、抜歯や外科手術を避けられる可能性が高まります。

癖の改善が可能

指しゃぶり・舌の位置・口呼吸など、歯並びに悪影響を与える習慣を早めに改善できます。

むし歯・歯周病の予防につながる

歯並びが悪いと磨き残しが増えます。矯正治療によって歯磨きしやすい環境を整えることができます。

実際の矯正治療の流れ

子どもの矯正治療は大きく分けて2つの段階に分かれます。

第Ⅰ期治療(6〜12歳頃が目安)

乳歯と永久歯が混ざっている時期に行う治療です。顎の成長を利用して、歯が並ぶスペースを作ります。拡大装置やマウスピース型の装置などを使用することもあります。歯列によっては5歳よりも前に矯正治療をおすすめすることがあります。

第Ⅱ期治療(12歳以降が目安)

永久歯が揃った後に行う本格矯正です。マルチブラケット装置(ワイヤー矯正)やマウスピースなどを使って矯正治療を行います。

歯並びの最終調整を行う(保定)

矯正治療が終わった後に歯が元の位置に戻ろうとすることがあります。そのためワイヤーやマウスピースできれいな位置から歯が動かないようにします。

保護者ができる日常のサポート

歯科医院での矯正相談だけでなく、日常生活の中で気をつけることも大切です。

・指しゃぶりや爪かみの癖を4歳~5歳くらいまでにやめさせる
・口呼吸ではなく鼻呼吸を意識させる
・よく噛んで食べる習慣をつける
・定期的な歯科検診で不正咬合を早期発見する

まとめ

矯正を検討している親子

子どもの歯並びは「そのうち整うかも」と思って放置してしまうと、将来的に大掛かりな矯正や外科的処置が必要になることもあります。顎の成長を利用できる小児矯正には大きなメリットがあります。

出っ歯・受け口・ガタガタ・開咬などは早めに受診した方がよい場合もあるので、気になる点があれば「まだ早いかな?」と思わずに、歯科医院へ一度ご相談してみてください。

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